人生のリズムについて

面白いもので、人生にはリズムというか、波というか、そういうものがある。

で、面白いもので、そういうリズムとか、波とかいうものは、一見、ただたんに偶然が重なって起こるかのようにも見えるのだが、実は、そういうものが起こるのにはそれなりの理由が存在するように思える。

たとえば、しばらくなかったなあ、と思っていたジャーナルの査読依頼が、立て続けにいくつか入ってくることがある。あるいは、在京の外国の大使館から、日本の情勢についての聞き取り依頼が、短いあいだにいくつも来るということがある。後者については、選挙があったり、この前の安保法制の成立というような大きな事件があったりすれば、それについての意見を聴きたいということだろうから、ここには当然、単なる偶然ではない理由が存在する。前者の査読依頼が重なることについては、こちらはどうみても偶然のようにもみえるが、しかしそれでも、案外と学者の世界というのは狭いもので、なんらかのきっかけでいろいろなジャーナルの編集をしている人たちのあいだの私的な会話にボクの名前が登ることがあると、「ああ、そうそう、そんな人、いたっけ」と思い出してもらって、査読が同時に舞い込んでくるということもあるのではないか、と思っている。

さて、こうした例は、どちらかというと人生の短期的なリズムである。しかし、それとは別に、もうすこし長い周期の波のようなものもある。

たとえば、ボクはかつては(NHKの国際放送を除いて)ほとんどテレビに出たことがなかったのであるが、2009年から始まったBSフジのプライムニュースという番組に、当初ブレーンキャスターという肩書きのもとで、結構頻繁に出演させていただいた。その後、2012年からはじまった同じくBSフジのコンパスという番組でもオピニオンアナリストというタイトルで多く出演した。ところが、この後者は、キャスターであった西尾由佳理さんが昼の番組に抜擢されたこともあり、一年足らずで終了した。ちょうどその頃、プライムニュースの方も番組の作り方が変わり、ブレーンキャスターという役を設けないことになって、ボクの出演も少なくなった。というわけで、まさに波がきて、波が去っていった、という感じであった。

しかし、ちょうど、そのテレビ出演の波が終わる頃、今度は日本学術振興会の学術システム研究センターというところから、プログラムオフィサー(PO)になってほしいという依頼がきた。同じころ、ほかにも、いくつか(名前はいえないが)公的な機関の役職を引き受けることになり、そうか、今度はこうした波がボクの人生にいま来ているんだ、と自覚するようになった。こうしたやや長い周期の人生の波は、ボクの年齢とか経歴と無関係ではなく、やはりテレビに呼ばれるにはそれなりの理由、公的な役職につくにはそれなりの理由があるように思える。ちなみに、ボクはテレビに出させてもらったことからも、学振でPOを務めたことからも、本当に多くのことを学ばせてもらったと思っていて、人生を豊かにする機会を得たことに感謝しきりである。

さて、学振でのPOの任期は3年で、来年の3月で終えることになる。次に、どのような人生の波がやってくるのか。あるいは、ボクの人生の波は、もう絶えてしまったのか。いや、きっと新しい波が訪れるにちがいないと、いまから心をわくわくさせながら、それを待っているのである。

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